介護アロマテラピーについて
介護アロマテラピーとは、
- 植物から抽出した精油を活用し、介護が必要なご高齢の方や障がいのある方の嗅覚にアプローチして、脳を活性化し、心を安定させる。
- 優しく包み込むコミュニケーションでその方に寄り添い、人生がしあわせな気持ちで満たされるよう手助けする。
このようなセラピーです。
介護アロマテラピーの成り立ち
アロマテラピーを実践してきた過程で、医療現場でもアロマテラピーの研究が進められています。
特に認知症のご高齢の方に精油の有効性が立証されはじめました。そこで協会では、ご高齢の方や障がいのある方に精油を使用して、アロマハンドケアやフットケアなどを実施し、多くの笑顔と喜びの声をいただくことができました。
そして、アロマテラピーをもっと介護分野に広めていけることを確信し、「介護アロマテラピー」と名付け、活動しています。
介護アロマテラピーについて学びたい方は、こちらのページの介護アロマテラピーの入門講座をご確認ください。
介護アロマテラピーの特徴
介護アロマテラピーとは、シニア向けのテンダーアロマです。難しそうと思われていますが、優しい香りを使ったシンプルなアロマテラピーです。
1 | 優しいハンドケアで、ご高齢の方のおからだの状態に合わせてタッチは弱めです。 |
2 | 誰でもお持ちの「優しさと愛」を持った姿勢で取り組みます。 |
3 | 介護独自の知識を習得できます。 |
4 | 介護に適切な精油を選択します。 |
5 | ご高齢の方とコミュニケーションが深まります。 |
6 | 社会的意義(ご高齢の方のケア、認知症などの理解)を持ちながら活動ができます。 |
これらの働きかけにより、ご高齢の方が笑顔になり、「また来てね」「気持ちがよかった」「いつもありがとう」という声をいただくことができます。介護施設内も心地よい香りで満たされ、働く職員も入居しているご高齢の方も喜びにあふれます。
介護アロマテラピーの体験談
介護アロマテラピーを受けた方の体験談や調査結果などからわかりやすくご紹介します。
介護アロマテラピー体験後の変化
介護アロマテラピー(介護アロマハンドケア・介護アロマフットケア)を受けられた方の体験談をご紹介します。
- 95歳女性(施設利用)大きな声を出すことがあり、個室内で2日に1回位、芳香浴(ペパーミント、レモン)を実施する。テレビを付けても状態は変わらなかったが、歌を歌い始めた。
- お父様の看取りの際にハンドケアを実施した。ケアラーが手に触れた感覚が今でも残っている。
- 要介護2のお母様にハンドケアを実施した。リハビリに積極的に行きがんばれるようになった。
- 寝たきりで、ご飯を口に運ぶと口を開けて食べるような状態。フットケアを実施すると、表情が穏やかになり、心地よい刺激を感じていると思う。
- 80歳の女性(施設利用)家に帰りたいと攻撃的になる。ハンドケアを実施すると、穏やかになった。
- 車椅子の男性(施設利用)いつも不機嫌そうだが、ハンドケアを実施すると、穏やかになった。
- 手に片麻痺があり言語障害がある。片麻痺がある方の手のハンドケアは嫌がっていたが、片手が終了すると、片麻痺の手も触らせてくれた。
- ハンドケアを受けた事がない女性。不安があるようで、精油や植物油を使用せずに手を包み込んでお話を聞いた。ハンドケアを受けてみる気になった。
介護アロマハンドケア実施後の調査結果
- 実施者:一般社団法人アロマウェルビーイング協会会員介護アロマケアラー
- 場所:介護施設内
- 対象者:80~90代、9名(不穏や認知症がある程度進んでいる方)
- 回数:1名につき、4回~17回実施
結果
介護アロマケアラー、介護職員の感想
- 喜んでいる、嬉しそう
- 精神安定につながっている
- 癒し効果がある など
喜ばれる介護アロマテラピーの3つのポイント
Point1 介護アロマ入門講座を学ぶ
施設での活動で培ってきた実体験を基盤に、高齢者向けのアロマテラピーの基礎知識を学び、初心者でも短時間でハンドケアを習得できます。
Point2 介護アロマハンドケアラーコースと介護アロマフットケアラーコースを学ぶ
ベッドサイドでのハンドケアや、高齢者からの要望が高いフットケアの施術法を学びます。さらにレクリエーションで活用できる楽しいアロマクラフトも作ります。そして介護アロマセラピストとして活躍できるようになります。
Point3 アロマ茶話会
ひとりきりの介護は、想像以上に大変なことです。「親の介護にもう疲れた」、「仕事がしたいけど、親の介護で…」など。ひとりで介護をしないですむように、同じ境遇にある仲間と出会うことができます。介護体験、施設の入居者の様子、実践した感想などに共感し、応援し合えるコミュニティに参加できます。