今回より‘‘ナースからのコラム‘‘を書かせていただきます原みきこです。皆様の介護アロマケアの活動にお役に立てる内容をお届けできればと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

 まず1回目は、私の介護体験から介護アロマケアを普及したいと思った経緯などをお話したいと思います。私は、認知症になった義父の介護に携わりました。亡くなるまでの3年間は在宅での介護でした。認知症と脳梗塞での失語症があり、食事、排泄、更衣といった日常生活のほとんどに介助が必要でした。私のことが誰なのかもわからなくなっていました。

 私がそれでも介護を続けられたのは、父が失語症となり言葉を発する機会がなくなってしまってからも、いつもニコニコと微笑んで過ごすことができていたからだと思います。ベッドからずり落ち失禁していた時も、手元にあったハンドクリームを食べようとしていた時も、声をかけるといつも微笑んでいるのです。困り果てている私もついその笑顔をみると笑顔になっていました。ただ、いつも「もし自分自身の行動を義父が理解できていたとしたら辛いだろうな」と感じていました。

 人が老いて認知症になっていくこと、またそれを受け止め介護をしていく家族には生活の面、精神的な面で辛いこともあるかと思います。その関係の中で、いかにその人らしく、その家族らしい生活を送っていくのか、決まった答えはないように思います。

 自分の在宅介護を振り返り、介護は経験してみないとわからない嬉しい事や辛い事がありました。そのような状況に対し、精神的にも肉体的にも疲れてしまったことがあったのも正直なところです。その中で、心も体も疲弊してしまう前に、私は自分自身も労わることの大切さも学びました。

 その一つがアロマの自律神経や免疫力を整える効果と、タッチケアがもつオキシトシンの効果です。包み込まれるような介護アロマケアを受けることで、気持ちが楽になり体もすっきりとし、そして笑顔につなげることがどんなに大切なことかを感じています。大切な人を労わる、そして自分自身も労わることが人生にとても必要なことで、介護アロマケアはそれを叶えることができる素晴らしいケアです。一人一人の活動はまずは小さな一歩かもしれませんが、介護の世界にいつもそばにあるケアとして普及してほしいと思っています。

看護師 原 みきこ

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