「私にできることがないでしょうか・・・」

 私が緩和ケア病棟に勤務していた時のことです。50代の奥様が、ベッドに痩せてぐったりとされているご主人に聞こえないように私にポツリとつぶやかれました。ご主人は癌の末期のため入院して心身の痛みのコントロールを受けておられ、奥様は献身的にそばにつきそい笑顔で明るい雰囲気を作られている方でした。

 看護師からは、ご家族がそばにいることや手をにぎっているだけでも心が落ち着くことをお伝えしたり、患者様のやりたいことを叶える事(終活も含め)などをご一緒にサポートさせていただくこと、また更衣や体を拭く時にご家族にも一緒にしていただくこともありました。

 奥様のその言葉を聞き、私は「家族だからこそできること」にアロマタッチケアが浮かびました。体がつらいときに、眠る前に、言葉はいらないけど何か伝えたい時に・・・。その時はまだ具体的な方法を知らずに悔しく思ったのを覚えています。奥様には私なりの足のさすり方をお伝えしました。

 今思うとあの頃介護アロマケアのスキルがあれば、奥様へ患者様にあった介護アロマケアの方法をお伝えすることで患者様もより気持ちよいケアをご家族から受けることでき、奥様もまた心穏やかになられその空間・時間がどれだけ貴重なものになったかと思います。

両手で優しく包み込み優しい圧でケアをしていくことが、ぜひ「家族だからできること」の一つとして、癒しや絆・ご家族の大切な思い出へとつながって欲しいと思います。

看護師 原 みきこ

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