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稲垣陽子さん

手をつなぐということ

母や祖父母が病院で過ごしていた頃、私はたびたび会いに行きました。顔を見ると、皆どこか安心したように笑顔を見せてくれます。しかし帰る時間になると、必ずと言っていいほど「帰りたい」とつぶやき、弱々しく手を差し伸べてくるのです。その姿は今も鮮明に心に残っています。

私自身も誰かのそばで「手を差し伸べられる存在」でありたいと思うようになりました。病気や年齢に関わらず、人は誰しも不安を抱えます。その時に差し伸べられた手を握る温かさは、生きる力に変わるのではないでしょうか。

学びを力に変えて

訪問介護の現場では、利用者さんの体調の変化に気づくことが少なくありません。あるとき、足がむくんでいる方に出会いました。しかし、その場で自分にできることはなく、ただ見守ることしかできない自分にもどかしさを感じました。

「もっと力になれたら」――その思いが心に残り続けていました。

そんな中で受講した講座では、専門的な知識を学ぶことができました。学びを通して、「気づき」で終わらせず、実際に支援につなげられる可能性が広がったことに、大きな手応えを感じています。

父に初めてのタッチングをして

今日、初めて父にタッチングを実践しました。父は「強い圧こそが良いマッサージ」という考えの持ち主だったので、優しい圧では満足しないだろうと正直思っていました。

以前通っていたマッサージやカイロの後に「気持ち良くない、変わらない」と言っていた父が、机にうつ伏せになり背中のディープタッチングからタッチングへと続けると、最後には「時間が短いな〜」と、眠そうな顔で答えてくれたのです。恐らく「もっとやってほしい」という気持ちが込められていたのでしょう。その変化に私は驚きました。

同時に、肩や腰の硬さに触れて、父の体の衰えを実感しました。普段あまり多くを語らない寡黙な父ですが、アロマの香りとタッチングの効果で、表情が少し和らいだように見えたのも印象的でした。

最近は認知症の進行も気になっているので、今回学んだタッチングを続けながら、少しでも穏やかな親子の時間を重ねていきたいと思います。

一歩を踏み出すために

これまで介護やアロマ以外にも、さまざまな講座を受講してきました。でも、自信のなさから一歩を踏み出すのに時間がかかり、学んだことを仕事や生活に活かせないまま終わってしまうこともありました。そのたびに「せっかく学んだのに」ともやもやが残ります。

また、私は一人で落ち着いて学びを深める時間を大切にしたいと思っています。ところが、家族が家にいることが多く、わずかな時間ができても家事に追われてしまい、思うように予定が進まない現状に、イライラすることもあります。

けれど、このままでは終わらせたくありません。学んだことを勉強や実践に活かし、高齢者の方に寄り添っていきたい。その先に、自分自身が癒されて笑顔になり、人と接するときに相手の気持ちを汲み取れる、そんな関わりをしていきたいです。そうすれば、自分も相手も幸せな気持ちになり、楽しい生活を送ることができると思います。

私が目指すのは、協会の理念や活動にも重なる「家族が健康であり、お互いに心地よく暮らせる社会」。そのために、まずは自分の学びを実践に変える勇気を持ちたいと思います。

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