私がアロマテラピーを実際に体感したのは、40才を過ぎた頃でした。

癌が見つかり早々に手術をすることとなり、手術の前夜に眠れずにいた時、夜勤のナースが枕元にラベンダーの香りをつけたティッシュをそっとおいてくれました。辛い病室の空間が癒しの空間に変わりました。

言葉は何一つなかった場面でしたが、香りが気持ちを癒し、人の思いやりが心へ深く浸み込んでくる事を体験しました。自分自身も看護師として、癌やターミナルの患者様へ接する中で、この体験を活かしたいと強く思うようになり、辿り着いたのがアロマタッチングケアでした。

看護職の中で、ぜひこのケアを取り入れたいと思い学んでいくたびに、医学的根拠に基づき、癒されるケアとして、またコミュニケーションの一つとして、とても効果のあるケアだと確信しました。

30代の時に在宅介護を経験しましたが、このケアをもっと早く知っていればと学ぶたびに思います。嗅覚を利用した脳への作用、また包み込むようにタッチングすることで愛情や命の大切さまでも伝えることができます。ご高齢の方の、また介護をする方の悩みやストレスは環境によりそれぞれ多岐にわたり、気持のコントロールも難しくなることもあります。そんな時に、香りとタッチングのケアでお互いが癒しや愛情を感じられる時間はとても重要で、ぜひ多くの方に体験していただきたいと思います。

現在高齢者施設で看護師として関わらせていただいていますが、このケアを積極的に行っています。ケアを受けられる方は、みなさんが穏やかな表情になり、ケアをしている側も癒しを頂いています。失語症の方の言葉以上の笑顔、下肢にむくみのある方へのケアでほっとされる表情、「弱っている人には、何とも言えないマッサージね」と涙ぐまれた方もおられます。

これからもぜひ医療や福祉、介護の現場や障害のある方の分野でも、アロマテラピー&タッチングケアを学ぶ方が増え普及していくことを願っております。

一般社団法人アロマウェルビーイング協会副理事 原 幹子

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