母と家族と介護とアロマ~在宅介護でアロマを~

私の母は、約3年間の闘病生活を経て、2021年夏に他界しました。何度か入院もしましたが主に通院で抗がん剤治療を受けていました。亡くなる約1ヶ月半前の定期通院時の検査や、その頃の母の体調の変化を鑑み、抗がん剤も効果を発揮しなくなったことを主治医より告げられ、抗がん剤による通院治療は終了しました。そして在宅診療への切り替えを勧められ、自宅での介護が始まりました。それまでは「要支援2」だった母がいきなり「要介護5」に変更になり、同時に私の中では、母とのお別れはみんなが想像している以上に早く訪れることをなんとなくわかっていた…そんな気がします。

今思えば、本当に短い期間でしたが、地域の力もお借りしつつ、家族みんなで協力して母を介護した貴重な時間でした。在宅診療のお医者さま、訪問看護師さん、ケアマネさん、ヘルパーさん、訪問入浴の方、福祉用具の担当の方、長い間通っていた医療センターの先生や看護師さんも含め、母は人生の最後のほうで、本当に沢山の方々のお世話になりました。家族としては、関わってくださった皆さんへの感謝の気持ちでいっぱいです。

約1ヶ月半の在宅介護では、日に日にいろいろなことが出来なくなっていく母。そして寝ている時間が増えていく母…食事もほんの僅かしか受け付けなくなりました。そして亡くなる前の1週間は昏睡状態でした。その間、私は仕事を休みずっと実家に居たので、通常の介護に加え、母にアロママッサージや保湿ケアをしっかり行うことができました。看護師さんたちに、「保湿もバッチリで、褥瘡も全然できてないし、お母さんいつもきれいな肌ですね。」と、褒めていただきました。保湿クリームにオレンジ2.ラベンダー1.マージョラム1の精油で作ったマッサージ用のクリーム…私も母も大好きな香り。目を閉じてベッドで眠っている母に朝の更衣後、できる範囲でマッサージケアをしてあげました。クリームの手を鼻に近づけると、眠ったままの顔が少し緩んで、鼻から深く息を吸いこんだり…私が側にいることをきっと感じ取ってくれていたと思います。そして足や手や背中をマッサージ…私だけでなく、訪問看護師さんも母のケアに同じクリームを使ってくださり、「わ〜!とってもいい香り〜!」っておっしゃってくださって、私はそれがとても嬉しかったです。マッサージは出来ない父や弟たちも汗をかきながら、慣れない介護を本当にいろいろ一生懸命やってくれました。それは母もきっと嬉しく感じていたと思います。

今思えば、介護アロマの勉強中にも、母には沢山モデルになって貰いました。まだ体調が良かった頃、宿題に取り組む私に、「いいよいいよ、とっても気持ちいいから、いくらでも私を練習に使って!」そう言いながらいつもちょっと嬉しそうに笑って協力してくれた母でした。「足のマッサージをしてもらった夜は朝までよく眠れるよ〜!ありがとうありがとう…」そんな感想も教えてくれました。

こんな風に、私の介護アロマ看取り編?には、語り尽くせないほどの想いがあります。そしてなにより、父が「幸せな人だな…娘にこんなことしてもらって…」って呟いたことも…当の母は昏睡状態で、グーグーいびきをかいて眠っていましたが、私としては、かけがえのない大切な家族の思い出となりました。(実は勉強中、症例の宿題で、母だけでなく、父にも何度かモデルになってもらっていたので、マッサージの心地よさは、父も体験済みだったのです。)

アロマに出会い、介護アロマを学び、インストラクターの資格もいただき、大袈裟に言えば、アロマケアラーとして、家族への愛を堂々と表現できたこと、感謝の気持ちをそっと伝えられたこと、想いを実践できたこと、とても幸せに感じています。介護アロマに出会えて本当によかった、学ぶ選択をして本当によかったと思っています。

人生の最期を自宅で迎えることができる人は亡くなる人の全体の約一割くらいだと、お医者さまからうかがいました。そう考えると、自宅で看取ることができた私たち家族はとても幸せなのかもしれません。母は明るい朝の光に包まれて、自宅で家族みんなに見守られながら旅立ちました。悲しみよりも沢山の「あたたかい想い」を家族にそっと残してくれました。そんな母の旅立ちは、家族みんなが涙ではなく笑顔で見送るちょっと不思議なお別れの体験でした。

介護アロマ…って素敵だけどなんかちょっと難しそう。ましてや、人の身体に触れることは、人の心にも触れること…なんか照れくさいし、ちょっと勇気もいるなぁ…そんな風に思うかたも大勢いらっしゃると想像できます。私がそうだったように…でも、シンプルに考えれば、いい香りに包まれてリラックスできるのはとっても幸せなこと!

いい香りで身体も心もほぐれる時間…そこから生まれる優しさと温もりは、巡り巡って明るい未来に繋がっていく…母が教えてくれた気がします。だから、私はこれからもっともっと沢山の人に、そして沢山のご家族にも、「介護アロマの優しさと心地良さ」をシンプルに優しく伝えていきたいと思っています。

[追記]

先日母の夢を見ました。

亡くなってから初めての鮮明な夢でした。

光が差す明るい台所で何かを茹でている母…

なんか元気そうだね?

あら〜今日は料理もできるんだね?

私の問いかけに菜箸片手に振り返って、

目を細めて満面のニコニコ顔。

「うん!なんか今日はね!調子いい!」

…ほほう。へー、それは良かった♪

母と家族と介護とアロマ…幸せの記憶。

山梨県 飯田 美和

  • 介護アロママスターインストラクター 
  • 英国IFA認定アロマタッチケアラー
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